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アルピーヌA110(1300)にドラッグ用の
“ブレーキ・ラインロック”を装着するの巻 |
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この73年式A110の1300はIRS(岩下ラリーサービス)時代から15年ほどの付き合い。その間にオーナーが入れ替わったけど、メンテナンスは継続するという珍しいケースだ。A110はかつてラリーで大活躍していたクルマ。ラリーをやっていた側から見ると、「よくこれで闘っていたな」と思う。小さいし、軽いし、今のラリーマシンとは次元が違うんだなと感じてしまう。4000~7000rpmを使って走らせると、本当に気持ちいいクルマだね。
IRS時代の大仕事はフロントラジエターにしたことと、エンジンとミッションのオーバーホールだった。A110は本来、リアラジエターなんだけど高温多湿の日本ではオーバーヒートしてしまう。そこで、オプションのフロント用ラジエターを手配した。そこには配管などの図面があったので、「これなら行けそう」と思った。フロントのパイプフレームの中にアルミパイプを通して、前後の出口を加工して取り付けた。冷却はバッチリでフロントラジエターにしてからはオーバーヒートとは無縁になった。エンジンのオーバーホールは整備書があったので助かった。フランス語はわからなかったけど、トルク値など数字は理解できたから問題なしだったね。ミッションはオーナーが何基かスペアを持っていたので、その中から使えるギアや部品をセレクトして組みなおした。5速にしてはケースが小さかったのが印象的だった。オーナーが代わってからは、まずキャブレターの街乗り用への調整だった。それまでのファンネルをボックスタイプに変え、ベンチュリーを変えて低回転から使えるようにセットした。ウエーバーはまだまだ部品が手に入るから助かる。次に手掛けたのがサイドブレーキの変更だった。オリジナルはステッキタイプなんだけど効きが甘い。そこで、オーナーがラインロックを持ち込んできたんだ。これはドラッグレースで使っているアメリカンパーツで、ブレーキオイルのラインをロックするもの。ブレーキペダルを踏み込んでロック、アクセルペダルを踏み込めば解除されるというプッシュ式だった。キットだったから装着に関しては問題なかったが、戻りのバネが不調になりやすいというトラブルが生じた。そこで、作動が確実なレバータイプに変更。これでキッチリとサイドブレーキ状態となって、坂道発進も難なくこなせるようになった。オリジナルにこだわらず現在でも使いやすいように加工するのも、旧いクルマを維持していくひとつの手段だと思う。(2008/10/01)
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